ビールを愛する、Vector Brewing 木水朋也氏
―クラフトビールにはまったきっかけは、自分でつくって、飲んだ時
大学が酒蔵の多い広島県にあったので、学生時代は、日本酒を飲むことが多かったですね。大学卒業後は、飲食店にお酒を卸す仕事をしていたのですが、“売るより作りたい”と思いを持つようになり、神奈川県のクラフトビールメーカー、サンクトガーレンに入りました。
その時に初めて自分でビールをつくり、それを飲んだ時にクラフトビールの魅力にはまりました。
お酒を卸す仕事をしている時は、ワインアドバイザーを取得するほど、ワインの方が興味があったんです。でも自分でつくるとなったら、年に1度しか仕込めないワインよりも、年に何度も仕込むことのできるビールのほうが魅力に感じたので、ビールをつくる仕事を選びました。
つくるビールにスタイルは関係ない
ビールを仕込む時は、“ビールスタイルは関係ない”と思ってつくっています。
スタイルに合わせて作るのではなく、自分が飲みたいものをつくり、ビールが出来上がったら、スタイルに当てはめるというようにしています。
ビールは、がぶがぶ飲んで酔っ払って楽しい場を作ることができる、気楽な飲み物だと思っています。なので、普段から自分がビールを飲む時は、何人かで楽しみながら飲んでいます。
普段ビールを飲むときは、ネタ探しをする感覚で、“この香りは何だろうな”とか“自分だったらこうするだろうな”とか思うことがありますね。
お客さんの反応が嬉しい
ネットの評判を見て、お客さんが高い評価をしてくれていることや、ビールを卸しているビアバーさんから追加の注文が来ることは嬉しいことです。
あとは、今年、『ジャパン・グレードビア・アワーズ2019』で出品した4つのビールすべてが、賞を取ることができたことも、嬉しかったですね。賞を取ることができたのは、金賞は「ベクターペールエール」「グラン・クリュ」「ねこぱんち」、銀賞は「グラマラスIPA」です。
浅草橋に醸造所が出来上がり、2017年11月からビール醸造を始めました。作り始めてまだ半年くらいの時は、醸造所の設備の癖が分からず、“スパージング”をした際のろ過をするための作業に苦労したことがあります。普通は2,3時間で終わる作業なんですけど、7、8時間かかり、朝の2時くらいまでやっていたことがありました。
自分のスタイルを確立したい
今後の目標は、短期的な目標としては2つあります。1つ目は、大きなコンペティションで賞を取れるようなビールをつくりたいなと思います。コンペティションがすべてではないですけど、プロの方に評価してもらうことは、自信にもなります。
2つ目は、もう一か所醸造所を作りたいというのがあります。新宿と浅草橋の2つの醸造所でビールをつくっても、ビールがお店に回し切れていないことがあるので、もう一つ醸造所を作りたいなと思いますね。自分がヘッドブルワーになる浅草橋の醸造所ができたことは、ビール人生での最大の出来事では、あったのですが、次のステップに進みたいなという思いがあります。
沢山ビールをつくれるようになったら、海外に輸出したいというのもありますね。
野望としては、“ここでつくったビールで1つのビールスタイルを確立したい”という想いがあります。だからこそビールをつくる時は、スタイルに合わせてビールをつくっていないんです。
フルーツに例えられるビールが好き
ビールを飲むときは様々なタイプのもの飲みます。好きなビールのタイプは、“ちゃんと何かのフルーツに例えられるビール”が好きですね。
例えば、グレート・ノーション・ブリューイングの「ブルーベリー・マフィン」ですね。名前の通りちゃんとブルーベリーとマフィンの味がするんです。衝撃的でしたね。
あとは、サンフランシスコの「アンカー リバティ エール」というのは、カスケードホップだけで、マスカットの香りがしますし、ベルギーのフランダース・レッド・エールの「ドゥシャス・デ・ブルゴーニュ」は、チェリーの香りがするんです。とても不思議ですごいなと思います。
つくり方がイメージできないし、印象に残るビールというのは興味が沸きます。
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