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8月1日オープンの直営店「オムニポロス・トウキョウ」を先行体験

2017年の輸入開始、ミッケラービアセレブレーション東京への出店、2020年6月からのほぼノンアルコールビールの発売と、毎年何かしらの話題を提供してきたスウェーデンのビールブランド・オムニポロ。8月1日に早くも日本で開店する直営店「オムニポロス・トウキョウ」の様子をリポートします。

公開日:2020年7月30日
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東京・兜町(住所の町名としては日本橋兜町)といえば金融街と呼ばれたまちです。かつては100社以上の証券会社が軒を連ねていましたが、立ち会いでの取引の縮小やオンライン取引の普及などにより、現在は20社ほどに減り、落ち着いたまちになっています。しかし東京証券取引所は兜町にあり続けていることもあり、金融街のイメージは残り続けてきました。

その兜町に2020年2月に開店したのが、米国のブルックリンブルワリーが「旗艦店」と謳う「B」でした。この開店は、兜町を拠点とする平和不動産による「日本橋兜町・茅場町再活性化プロジェクト」の一環でもありました。このプロジェクトの第2段階の一つとして8月1日に開店するのが、同じく海外ビールブランド店となるOmnipollos Tokyo(オムニポロス・トウキョウ)です。

オムニポロは「あり得ない組み合わせ」が信条

ビールブランド・オムニポロは、ヘノク・フェンティとカール・グランディンが2010年にスウェーデンで設立しました。
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オムニポロを設立したヘノク・フェンティ(右)とカール・グランディン(左)


フェンティはもともとロンドンで経営学を学んでいましたが、いつしかパブが大好きになりビールの自家醸造にも熱心になっていきました。そしてその後、熱心な交渉の末、ベルギーのデプロフ醸造所への委託醸造を実現させ、たくさんのレシピを開発してきました。現在もオムニポロの銘柄の多くはこの醸造所でつくられています。

オムニポロと同じスウェーデン発祥で、家具量販店であるIKEA(イケア)で6月から発売されて話題になっているオムニポロのほぼノンアルコール(0.3%)ビールも、このデプロフ醸造所製です。

一方グランディンは、イラストレーター、グラフィックデザイナーです。フェンティからファッションセンスのあるビールの会社のビジョンを教えてもらうと、そのアイデアとフェンティのビールを大変気に入り一緒に会社を立ち上げることにしたのです。彼らの銘柄にはロゴが一切入っておらず、銘柄ごとに唯一無二のデザインが施されています。この強烈な個性がまさに、グランディンの成せる業(わざ)なのです。

「オムニポロ」という名前も実に独創的で、独特な二人組をよく象徴しています。オムニポロとは、Omnipotent(英語「全能の、無限の力を持つ」) とPollo (スペイン語「鶏肉」)を組み合わせた造語です。ロゴも実は、鳥をモチーフにしています。

設立以来、例えばハンバーガー用のバンズとフライドポテトを使ってつくったIPAや、スイーツで使うような原料を使うという、「あり得ない組み合わせ」のビールをつくり続けています。子供のころは菓子職人になろうと思っていたフェンティの興味・嗜好が反映されていると言えるでしょう。

日本では2017年から輸入が開始、翌年と翌々年のビールイベント「ミッケラービアセレブレーション東京」にも出店し、人気を博しました。

奇抜な「鰻屋、青色とビール」

そうしてついに8/1に開店するのがオムニポロ「ス」・トウキョウです。スが入っているのはOmnipollosのsの音を反映させるからで、このsはスウェーデン語の名詞の所有格を表しています。英語と違って’(アポストロフィー)は付きません。ですから、「オムニポロの直営店であるオムニポロス・トウキョウ」という表記になるのです。

直営店はこれまでスウェーデンのストックホルムに2店、ヨーテボリに1店(コロナ禍の影響で閉店中)、ドイツのハンブルクに1店開いてきました。今回の東京への出店で、北および西ヨーロッパ以外では初出店となります。
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70年弱鰻屋として使われてきた店舗を使用


店舗はもともと、1950年開店で2018年末に閉店した鰻屋「松よし」。1949年に再営業を始めた東京証券取引所とほぼ同じ歴史を歩み、「株価のうなぎ上り」のゲン担ぎとしても親しまれてきたお店です。いかにも鰻屋然とした外観は残されており、そこにオムニポロのネオンサインが掲げられています。これも「あり得ない組み合わせ」と言えます。

店内に一歩入ると、プールの中、もしくは雲の上にいるかと思わせる、明るい青を中心とした内装が広がっています。自然と飲み食いが進むよう、温かみのある内装が多いなか、「食欲がわかない」とまで言われる青色を大胆に使った、奇抜なデザインです。それでいてかっこよさもあり、オムニポロというブランドらしい、ファッションセンスがあふれています。

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水中、空中など、非日常な雰囲気を醸し出している内装

ソフトクリーム機常設! ビールに浮かべて楽しむ

正式オープンに先立って試飲できたビールは三つありました。

「PERILKES RUSTIC PILS」は、アルコール度数4.3%のピルスナー。ボディーは軽く、苦味はしっかり。ハーブやスパイスのような香りが強いので、セゾンぽくすらあります。

「ZODIAC HOUSE IPA」はアルコール度数6.2%で、こちらもボディーは軽く、苦味とホップらしい香りがもっと強くあります。

最後の「AON PECAN MUDCAKE SOFTSERVER IMPERIAL STOUT」はアルコール度数11%で、コーヒーやチョコレート、キャラメルのような香ばしさと甘味があり、さらには強い苦味があります。これに常設のソフトクリームを浮かべると、ビールの苦味が和らぎ、ビールの香ばしさがソフトクリームのまろやかさを引き立てます。
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ソフトクリームを浮かべて楽しむインペリアルスタウト


8月1日の開店からしばらくは、入店は予約制。感染症対策には十分に留意して利用したい。
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この記事のライター

長谷川小二郎

編集、執筆、英日翻訳。米WBC、GABF、豪AIBA、独EBS、日IBCなど国際的な上位ビール審査会で審査員。ビールと料理を合わせる「ベルギービールKAISEKI(会席)アドバイザー認定講座」「ビアコーディネイターセミナー」で講師。最新刊は共著・訳『今飲むべき最高のクラフトビール100』。

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