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もっとアロマを、もっとフレーバーを!アメリカンクラフトビールに学ぶドライ・ホッピングの最新動向 vol.1

ビールにおけるホップの役割は非常に大きく、ホップのキャラクターがビールの個性そのものを決めることもある。アメリカは大胆なドライ・ホッピングの技術で世界をリードするトップ・ランナー。今回、知られざるドライ・ホッピングの技術にクローズアップした。(ビール王国 vol.16 より転載)

公開日:2017年12月19日
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ホップの個性を開花させるドライ・ホッピングの技術

アメリカンクラフトビールを代表するスタイルは、何と言ってもアメリカンペールエールだ。

柑橘類を思わせる香りに強い苦味が特徴的なこのスタイルは、瞬く間にクラフトビールの流行を我がもの顔で突っ走り、さらに苦味の強いアメリカンIPA、アルコール度数の高いインペリアルIPAなど派生形を生みながら世界中に拡散している。

これらのスタイルに求められる香りと味を実現するために必要なものがある。

ドライ・ホッピングという技術だ。


ドライ・ホッピングとは、麦汁煮沸中にホップを投入するのではなく、煮沸が終了し冷却後の工程で投入することを言う。ホップには苦味の成分であるアルファ酸と香りの成分であるルプリン(オイル分)が同居しており、簡単に言うと、煮沸中に入れれば苦味が、冷却後に入れれば香りが際立
つという性質がある。

ぐつぐつと沸騰したお湯に鰹節を入れると出汁の香りが飛んでしまうのと同じく、ホップの香りを飛ばさないように冷えた麦汁にホップを加えるのがドライ・ホッピングだ。

「まずはどういったタイプのホップを使うかから始まります」とは、ヤッホーブルーイングで醸造責任者を務める森田正文さん。

ホールホップや圧縮成形したペレット、オイル分を抽出したエクストラオイルなど、目指すビールの味によって変える必要があるほか、「最も重要なのは、ホップの量、投入タイミング、ビールと接触中の温度、引き上げるタイミングですね」と森田さん。

ホップの品種ごとにこの加減も変わるという。

「例えばカスケードとシトラではオイルの組成が異なります。公式が確立されているわけではありませんが、品種ごとに先入れと後入れのどちらが最適かがあるのではと考えています」。

また、量についても大量に使えばよいというものでもない。

「シトラらしい個性を一番気持ち良く感じる量があると考えています」と話すとおり、いい塩梅にホップの加減を調整し、目的の香りを引き出すことが重要だ。

さらには複数の品種を組み合わせることで、全く違った個性が現れる場合もあるという。

鰹節のイノシン酸と昆布のグルタミン酸が合わさることで生まれる旨味の相乗効果のように、異なる個性のホップ同士が出合うことで人の感じる味わいが大きく変わり、誰も体験したことのないビールの世界が開けるかもしれないのだ。
ビール王国 vol.16 より転載  (9132)

via ビール王国 vol.16 より転載 

ビール王国 vol.16 より転載  (文:西林達磨 写真:柴田博司)

続編は12月15日アップ予定です。
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ビアパレット編集部

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