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泡なしで感じるJ-CRAFT HOPPING

10月6日から発売になっているJ-CRAFTの新ブランド「HOPPING」の2銘柄「ガツんとIPA」「ジューシーIPA」を、ワールドビアカップやグレートアメリカンビアフェスティバルなど上位の国際的ビール審査会で審査員を務めてきた長谷川小二郎さんが味わってみました。

公開日:2020年10月9日
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二つの銘柄を入手して味わってみた結果の前に、私のおすすめの飲み方を紹介したいと思います。

それは、グラスに泡を立たせないように注ぐ方法です。パイントグラスなどなるべく素直な形のグラスに、なるべく滑らかに注ぎ、できるだけ泡が立たないようにしてください。右利きの人がパイントグラスに注ぐ場合は、注ぎ終わったときに液が時計回りに回っていると成功です。

 結論だけ言えば、泡なしで注ぐと渋味が低減され、それぞれのビールが持っている本来の味わいが、渋味に邪魔されずに楽しめます。簡単に想像できるように、立ち香(グラスを鼻に近づけたときにする香り。英語でアロマ)はあまりしなくなります。しかし口に含んだときに、泡を立てるときと比べて多く残っている炭酸が舌などに当たる衝撃で「シュワッ!」と弾け、同時に香りが立ち上がって、口の奥から鼻の奥に上がって行き、香り(含み香、風味)が感じられます。つまり、味とよりはっきりした香りを同時に感じられるという、立体的な味わい方ができるようになります。

 この味わい方はすべてのビアスタイル(ビール醸造様式)において優れているとは思いません。しかし今回飲んでみた「ガツんとIPA」「ジューシーIPA」のようにホップが多めに入っている場合は、提供方法によって渋味が強くなりやすいため、泡なしで注いで渋味を低減させる方法が特に有効だと思います。
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麦芽の香ばしさも魅力の西海岸様式

「ガツんとIPA」のラベルは「WEST COAST STYLE(米国西海岸様式)」も添えられています。簡単に言えば、米国西海岸の水は概ね硬水で、ホップの苦味がよく引き出されます。なので、そう書いてあるということは苦いのだな、と予想がつきます。

 しかし、これを泡なしで注いだところ、苦味よりも甘味の方をやや強く感じました。ホップ由来のパイナップル様、麦芽由来のカラメル様の香りもあって、口の中で味と香りが弾けると、こんがり焼いたパイナップルケーキのような味わいがして心地良い。さらに口当たりも滑らかで、使用されている小麦麦芽由来の豊富なタンパク質が作用していそうです。底の方にも澱はなく、全体的に透き通っています。

 苦味と甘味のバランス、そして麦芽由来の香ばしさがある点を考えると、むしろ東海岸風と言えます。なお、泡を立てて注ぐと苦味の方が強く感じられ、渋味も感じられるようになります。

華やかな果物の香りのジューシーIPA

「ジューシーIPA」にはラベルに「EAST COAST STYLE(米国東海岸様式)」と添えられています。「ガツんとIPA」のところでも述べたように、東海岸風は麦芽の香ばしさもきいていることが一般的な認識なので、さらに添えられているNew England(米国北東部6州)を意識して付けたのでしょう。ビールで近年人気の「ニューイングランドスタイル」は、華やかな果物の香りを強調するためにそうした香りのするホップを大量に使用したり、滑らかさを出すためにさまざまな穀物を使用したりしているビアスタイルです。

 こちらも泡なしで注いでみると、濁りは一様で、ニューイングランドスタイルと呼ばれるものの中では弱めです。とはいえ他のスタイルのビールと比べると濁りは強いのですが、ボディーはそれに反して軽めで面白い。口に含むとマンゴーやグレープフルーツのような香りが弾けて、非常にフルーティーです。口当たりは「ガツんとIPA」よりもさらに滑らかで、小麦麦芽、オーツ麦、乳糖がうまく作用しているように思われます。

 こちらも泡を立てて注ぐと、渋味がよく感じられるようになります。ですから、ジューシーIPAの方は特に、泡なしで滑らかに注いでみることを強くお勧めします。
筆者・長谷川小二郎さんからのお知らせ

ビールと料理の合わせ方を理論と実践から総合的に学べる資格講座「ベルギービールKAISEKI(会席)アドバイザー認定講座」の講師を務める長谷川さんが、11月8日(日)に東京でのリアルと、オンライン(Zoom)でチーズの基本とベルギービールとの合わせ方の会」を開催します。

この講座を受講すると例えば以下のことが分かるようになります。
・そもそもチーズとは?
・今回提供するチーズ、ビールの特徴
・今日から使える、ビールと食べ物の合わせ方の理論

今回ご提供するのは、ビール3銘柄とチーズ3銘柄です。
こう書くと、ビールとチーズが1対ずつ、合計3組提供されると思われるかもしれませんが、一度にすべて提供し、3×3の合計9組を合わせていただき、より幅広く自由に、美味しい組み合わせを探っていただきます。

参加していただくことにより、次回は12/6(日)に予定しているKAISEKI講座の雰囲気を知ることができます。
既に受講した方には復習や発展的な学習(飲み食い)に役立てていただけます。

12/6(日) ベルギービールKAISEKI(会席)アドバイザー認定講座・第4期(東京第2期+オンライン)
お申込みはこちら
https://www.jbpa.jp/3400
講座名:ベルギービールKAISEKI(会席)アドバイザー認定講座
■開催日時
2020年11月8日(日)16:30-18:00

■場所
コム・ラ・グーズ Comme la Gueuze
https://www.facebook.com/comme.la.gueuze
住所:東京都港区芝5-24-16 菊池ビル 2F
JR「田町駅」徒歩5分、都営地下鉄「三田駅」徒歩4分
電話:03-6435-2463

■参加費

◯店頭での参加
・前払い(本ページ)11/2(月)まで:3,700円
または、
・コムラグーズ店頭 11/2(月)まで:3,700円
11/3(火)以降:4,000円

※締切日以降のご参加については協会事務局またはコム・ラ・グーズまでお問い合わせください。

※イベント終了後、解説動画を販売(2000円)する予定です。
購入ご希望の方はご連絡ください。
販売開始時に購入方法をお知らせします。

◯遠隔での参加
11/2(月)までのお申込み:1,500円
11/3(火)~5(木)のお申込み:2,000円

詳細、お申し込みは下記ページから。
https://www.jbpa.jp/3408

⇒遠隔でのご参加お申し込みページはこちら
https://www.jbpa.jp/3413
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この記事のライター

長谷川小二郎

編集、執筆、英日翻訳。米WBC、GABF、豪AIBA、独EBS、日IBCなど国際的な上位ビール審査会で審査員。ビールと料理を合わせる「ベルギービールKAISEKI(会席)アドバイザー認定講座」「ビアコーディネイターセミナー」で講師。最新刊は共著・訳『今飲むべき最高のクラフトビール100』。

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